別れからの再開:アメリカの野生馬

アメリカ、ワイオミング州の野生馬の話。

アメリカでは土地管理局が定期的に野生馬を捕獲(ラウンドアップと呼ばれている)していて、捕獲した馬をセリに出したりカナダやメキシコに輸入したりして処分している。

捕獲後は一旦囲いの中で飼われる。

 

そのラウンドアップによって2頭の夫婦馬(Goliath雄馬とRed Lady牝馬)が捕獲され別々の地域に輸送された。

ラウンドアップで捕獲されるとき、Goliathはボスとして必死で家族を守ろうとしたそうだ。

 

野生馬の生態を追跡していた団体がそのことに気づき、この2頭の居場所を探し当て、購入してめでたく再開させることができた。

 

本当に幸運な馬たちだと思う。

 

ほとんどの馬はラウンドアップによって捕獲されたら売られるか、狭い囲いの中で一生を過ごさなければならない。

 

そして再開するシーン。何ともいえない気持ちになる。

 

再開しても、2頭はベタベタと相手にくっつくわけではなく、並んで同じ空間を共有していた。すごく良い。こちらまで幸せになった。

 

ただ近くにいられるということがこんなに貴重なことだったとは。きっと本人たちもそう感じてるのではないだろうか、と人間目線から考えてみた。

 

(いや、こう考えるのは人間の勝手な思い込みなのか)

 

そしてその1週間後、牝馬が雄馬の子供を妊娠していたことがわかった。

牝馬は無事に出産して、元気な男の仔が生まれた。

 

雄馬が育児に関わっていくところがまたいい。

 

ほっこりさせてくれる話だった。


ちなみに、アメリカの土地管理局は5万頭の野生馬を捕獲していて囲いの中で飼っている状態らしい。

その現状を映像で見ると、切ない気持ちになる。

 

広い土地があるのになぜ捕獲しなければならないのだろう。
国土が馬で溢れかえるのを防ぐためだろうか。