馬房について

 

 

パドック・パラダイスの考え方では、馬房は馬にとっての最悪な環境になります。

 

馬は非捕食動物であり、クーガー(虎)などの捕食動物に襲われるというリスクの中で生きている動物です。

 

馬は、本能的に洞窟には入りません。4面を囲まれており捕食動物に襲われたら逃げることができないからです。

 

洞窟と同じ理由で、馬房や(競馬の)ゲートは馬にとって本能的に落ち着かない場所なのです。

 

馬は広い場所を好みます。一日中移動しながら生活します。

 

天敵に襲われないためには、場所を変えることは理にかなっているのです。

 

馬の1日の大半は、草を食べるか、歩くか、仮眠するかのいずれかが占めています。

全力疾走で駆け抜けることはめったにありません。

 

脳波でいえば、常にα波の状態。

瞑想に近い状態で生活しています。

 

そのことを考えると、競走馬の生活(1日の大半を馬房内で過ごして、たまに全力疾走)が不自然に思えてきます。

 

競走馬は身体が弱いのは、血統の掛け合わせで近親交配が進んでいるからというだけではなさそうです。

 

日本で昼夜放牧を初めて採り入れたのは、社台ファームの吉田善哉さんだといわれていますが、吉田善哉がアメリカに行ったときに昼夜放牧されている馬の身体が丈夫なことに気づき、日本にも採り入れたそうです。

 

 

 

なので、わたしの意見になりますが、蹄の弱い競走馬は昼夜放牧して、調教を一時中止して、ストレスを与えない生活をさせてあげるのがいいのではないかなと思っています。